ペットの皮膚科診療について

ペットの皮膚科診療について

ピジョン動物愛護病院は、犬や猫の病気のなかでもよく見られる皮膚疾患について数多くの治療実績を持っています。こちらのページでは、ペットの皮膚科診療についてご説明します。

《皮膚科診療にあたって》

皮膚病の治療は長期的になることが多いので、当院では将来的に動物の体に負担がかからないように気をかけて治療を行っています。内服治療に頼りすぎることも良くないと考えていますので、より多くの治療選択肢を用意できるよう努めています。

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症例

アレルギー性皮膚炎(アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)


ジャックラッセルテリア 去勢雄(10歳)

若齢の頃より慢性の皮膚炎を繰り返しており、臨床経過およびアレルゲン特異的IgE検査の結果より、アトピー性皮膚炎と診断された。シクロスポリン、内服ステロイド、減感作療法、シャンプー、外用剤によって長期的に治療を行っている。

【アトピー性皮膚炎とは?】
アレルギー性皮膚炎にはアトピー性皮膚炎と食物アレルギーがあります。除去食等により食物アレルギーを除外した後にも皮膚炎が残る場合は、アトピー性皮膚炎と考えられますが、両者は併発していることも多いです。近年は診断基準が改変されましたが、治療選択のために種々のアレルギー検査を用いることがあります。

【治療は?】
症状が激しい急性期と、初期治療に反応した後の慢性期では必要な治療が異なります。食事療法、シャンプー療法、外用剤、内服薬など基本的な治療を行い、内服薬の休薬や減量ができない場合は、インターフェロンγの注射、減感作療法をおすすめします。
慢性期ではできるだけステロイド剤を用いない治療法を考えていきます。アトピー性皮膚炎の場合、生涯にわたる長期的な治療が必要となります。

外耳炎


重度の外耳炎の一例

洗浄液の回収

回収した洗浄液(左)

ミニチュア・ ダックスフンド 去勢雄 7歳

耳が臭くなり、黄色い耳漏が出ているということで来院。耳垢検査の結果、大量の細菌が検出されたため、細菌性外耳炎と診断。精密検査を行ったところ、クッシング症候群を併発していることが判明したため、現在は内服治療を行っている。

【外耳炎とは?】
外耳炎は外耳道における急性あるいは慢性の炎症性疾患で、その原因は多岐にわたります。ほとんどの場合、耳道の正常な構造や機能が変化するような基礎疾患があり、その結果細菌やマラセチアの二次感染が生じます。

【治療は?】
様々な原因により慢性外耳炎になりますが、3つの原因(原発性要因、素因性要因、永続性要因)について順番に問題を解決することで外耳炎を長期的にコントロールすることができます。
治療は耳の洗浄が基本となります。耳をきれいにするためにはどうすればいいのか。耳の状態に合わせてその子に必要なことを考えます。たとえば初診時に腫れが激しい場合は、あえて洗浄はせず、内服薬などで数日治療し、腫れを引かせてから洗浄するようなことも多々あります。
一度良くなった後は再発の予防です。外耳炎を起こした原因を特定し、再発予防に必要なことを考えていきます。

膿皮症


ラブラドール・レトリバー (2歳)

数日前より下腹部をよく舐めるという主訴で来院。昔から手足の先などをよく舐めていたとのこと。腹部には多数の丘疹や膿疱が認められ、膿疱の細胞診で多数のブドウ球菌を確認したため膿皮症と診断した。

【膿皮症とは?】
細菌が原因で皮膚が化膿する病気の総称で、犬では最も多く遭遇する皮膚病の一つです。増殖する部位などによっていくつかに分類されますが、もともと皮膚にいる常在菌が増殖する疾患なので、何らかの免疫力の低下が原因となっていることが多いです。アレルギー性皮膚炎、内分泌疾患、などの基礎疾患を治療しないと再発を繰り返す傾向にあります。

【治療は?】
抗生剤によく反応しますが、薬を切ると再発してしまうケースは多く、結局薬が切れない状態に陥ります。また、近年では耐性菌(特定の薬が効かない菌)の問題もあり、使える抗生剤も少なくなっていきます。膿皮症の治療は、基礎疾患をしっかりと調べ、耐性の生じにくいシャンプーや外用剤を併用して管理することが大切です。

マラセチア症


雑種犬 (4歳)

若齢時より下腹部の皮膚炎と外耳炎を認める。下腹部は痒みが強く、一般皮膚検査で大量のマラセチアを検出したため、マラセチア皮膚炎と診断した。内服の抗真菌剤および抗真菌シャンプーを処方したところ、痒みはほとんど消失し、マラセチアも検出されなくなった。

【マラセチア皮膚炎とは?】
マラセチアという酵母菌による皮膚炎で、指の間やわきの下、内股など皮膚の擦れる箇所(間擦部)にしばしば病変を認めます。マラセチアは常在菌ですが、何らかの基礎疾患の影響で、過剰増殖やアレルギー反応を起こし、慢性的な皮膚炎を生じます。

【治療は?】
抗真菌薬の内服や外用、抗真菌シャンプーを用いて治療すると良好に反応することが多いです。しかし、基礎疾患をコントロールしない限りしばしば再発を認めます。基礎疾患の特定と治療が、長期的なコントロールのためには必須となります。

毛包虫症(ニキビダニ症、アカラス症)


シーズー (8歳)

全身に慢性的な皮膚炎を認め、抗生剤やステロイドで改善を認めないという主訴で来院。一般皮膚検査で大量の毛包虫を認めたため、全身性毛包虫症と診断し、ドラメクチンで治療を行ったところ、皮膚炎は改善し、痒みも治まってきた。

【毛包虫症とは?】
若齢時に認められる局在性毛包虫症と、基礎疾患に伴って中高齢時に発症しやすい全身性毛包虫症があります。前者は成長とともに完治することが多いですが、後者は基礎疾患の治療をしないと完治に至らなかったり、すぐに再発してしまう傾向にあります。

【治療は?】
毛包虫を直接倒す目的として様々な駆虫薬が用いられますが、この駆虫薬は犬種によっては副作用が強く出るため、遺伝子検査によって安全に使えるか調べる場合があります。駆虫薬の効果は約80~90%ですが、前述の通り、基礎疾患のコントロールを行わない限り、効果は限定的となってしまいます。

皮膚型リンパ腫症


マルチーズ (12歳)

甲状腺機能低下症で治療中に、背部に膿皮症を発症。抗生剤で治療するも、一部治りが悪く硬結感が出てきたため針吸引検査を実施したところ、大量のリンパ球が採取されたため、6mmパンチ生検を行った。病理学的検査では皮膚型リンパ腫(上皮向性T細胞性リンパ腫)と診断されたため、クロラムブジル、ステロイドにて治療を開始した。

【皮膚型リンパ腫とは?】
本来免疫を担当する「リンパ球」が腫瘍化した悪性腫瘍で、初期ではただの皮膚炎のように見えますが、治療の反応が悪く、やがて腫瘤を形成することが多いです。犬や猫での発生はまれとされていますが、比較的遭遇する機会のある疾患です。

【治療は?】
明確な治療法がなく予後は約3ヶ月とされています。強い痒みを呈することが多く、その場合痒みをコントロールすることが生活の質を保つために必要となります。ただし、一部で長期的に生存した例もあるので、近年、より適切な治療法が検討されています。
当院では飼い主様と相談の上、検査結果に基づき抗癌剤治療を行っています。

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